しばらくそのままだったけど、先生はまったく受け取ろうとしない。
「・・・・あの。いらないんだったら仕舞いたいんですけど。」
仏頂面で300円を握りしめた手を引っ込めようとすれば、ぐっと掴まれた。
「誰がいらないって言った。」
「・・・いるんなら、早く受け取ってください。」
この人の考えてることは、いつになってもわからない。
勝てないのは分かってるけど、負けたくないと思ってしまう。
「ワッフルくださーい。」
中学生くらいの女の子が2人、お財布を握りしめて出店の前に立っている。
「・・・。はい、いくつ?」
さっきまでのダークな感じはどこへやら、またも殺人スマイルに切り替えて、接客をする。
・・・悔しいくらい、スマートなんですけど。
案の定、中学生女子は先生を見てキャーキャー声をあげている。
「えー、生徒じゃないんですかぁ。」
甘ったるい猫なで声で、ワッフルを受け取ったあとも先生に話しかけ続けている。
気が付けば、うちの出店は年代様々な女性たちに囲まれていた。
・・・おかげで、1人でワッフル焼き続けて、また汗だくなんですけどね。
ってか、この300円どうしたらいいのよ。

