呆れ気味に苦笑していたら、教室後方がざわざわとした。
「お、なんだよお前、かっこいいじゃん!」
「えー、イケてる!!ほんとの王子様みたい!!」
男子も女子も口々に驚きの声をあげている、その相手は・・・。
「・・・柏木くんだ・・・。」
「あら、なかなか男前じゃん。」
プリンスというコンセプトに沿って作られた衣装は、本当の王子様のようなマント付き。
それを違和感なく着こなした彼は、颯爽とマントを揺らしながら歩いている。
「みんなありがとうな!!でも、オレはな・・・。」
周りの人たちにおどけて手を振って見せながら、こっちへ歩いてきた。
言葉の途中で立ち止まり、そこに跪くとそっとあたしの手を取る。
「え・・・。」
「オレは、杏ちゃんの王子様になれたらそれでええんや。」
クラス中の人があたしたちをニヤニヤしながら見てるけど、まるで気にしていない様子で、あたしの手の甲にそっと唇をつける。
恥ずかしさで体が固まり動けないでいると、柏木くんが顔をあげてあたしを見る。
「いつか必ず、お姫様なってもらうで、杏ちゃん。」
彼がニカッと眩しい笑顔を浮かべれば、一気に周りが盛り上がる。
ヒューヒューと囃し立てられて、あたしの顔がもっと赤くなる。
「お前ら、やめろや。杏ちゃん恥ずかしがってるやろ。」
「いや、元々お前のせいだろ!!」
突っ込みを受けながら、柏木くんはあたしからみんなの視線を逸らしてくれた。

