親しげに笑いながら先生の隣を歩いていたあの人。
名前も間柄も知らないけど、隣にいてほしくないと思った。
あたしに特別と言った意味を、彼女は先生にとってどういう人なのかを、知りたいと思った。
・・・もしかしたら。
今あたしにしているように、あの人のことも抱き寄せてたのかもしれない。
前あたしにしたように、あの人にもキス・・・したのかもしれない。
そう思うと、なぜだかわからないけど、激しい嫌悪感が湧き上がる。
「や・・・。」
「あ?」
「やだっ、離して!!」
腰に回された腕を振り払って、ドンッと先生の胸を押した反動で膝から降りる。
俯いて立ち尽くすあたしは、先生の顔なんか見れないけど、戸惑いと怒りの気配は伝わる。
「・・・・・・あんこ、どうした・・・急に?」
少しの沈黙の後、先生が優しめに声をかけてきた。
あたしの中では全然急なことなんかじゃない。
でも、先生にしたらあまりにも唐突すぎたのかもしれない。
だけど、そんなこと今のあたしには関係なんかなくて。
ただただ、溢れ出るこの気持ちと感覚を、どうしたらいいか分からないでいた。

