「じゃあ宏樹。ちょっと遊んで待っててね。」
珠樹がひろくんをおもちゃがたくさん置いてあるところへ座らせて、そう声をかけると彼は大きくうん、と肯いた。
「まずは・・・卵、割ろう。」
どこかのホームページからプリントアウトしてきたレシピを見ながら、2人で和気あいあいとワッフルを作る。
本番は、ワッフルメーカーを5台ほど用意して焼いていくらしい。
柏木くんがどうしても作り置きではなく焼き立てを食べてほしいと訴えたからだ。
「ちょっと杏子、粉ついてるよ。」
笑ながらあたしの頬についた強力粉を取ってくれた珠樹は、ほんとに楽しそうな顔をしている。
「よし、じゃああとは焼くだけだね。上手く焼けるといいけど。」
「大丈夫でしょ、レシピ通りだもん。」
メーカーにセットして焼ける間、2人でひろくんの元へ行き遊んだ。
しばらくして焼けたことを知らせるメロディが聞こえ、メーカーからワッフルを取り出してみると、想像以上にきれいに焼けていた。
「うん、かわいい!!これはたこ焼きじゃなくて正解だわ。」
「ちょっと、珠樹。そういうこと言わない。」
わざとらしくあたしを見て、ニヤリと笑った珠樹に、あたしもおどけて返す。
「さ、食べよう。宏樹、ワッフル食べる?」
ワッフルがなにか分かっているのかはともかく、おいしそうな匂いに釣られたのかひろくんもおもちゃを放り投げてやってきた。

