次の日、珠樹との約束に間に合うように支度を済ませて、家を出た。
珍しくあたしよりも遅く起きだしてきたお母さんに用事を告げると、なんだか嬉しそうな顔をしていた。
お母さんも珠樹の家の事情は知っているから、珠樹の気持ちを汲み取ったんだろう。
駅前で珠樹と待ち合わせして、電車で2駅ほど先の珠樹の家へ。
「お邪魔します。」
「入って、入って。お母さん、杏子来たよ!!」
玄関で脱いだ靴を揃えていると、足音が2つ聞こえた。
「杏子ちゃん、いらっしゃい。ゆっくりしてってね。」
「はい。お邪魔します。」
珠樹のお母さん久々に会ったなぁ。
全然変わってなくて、珠樹に似てキレイな顔立ち。
「それじゃあ珠樹、よろしくね。」
「うん、行ってらっしゃい。」
これから仕事なのだろうお母さんに手を振りながら見送ると、一緒にリビングへ入った。
「ほら、宏樹。お姉ちゃんに挨拶は?」
「こんにちは!!」
「こんにちは。久しぶりだね、ひろくんも。」
こちらも相変わらずかわいい笑顔を浮かべてぺこりと挨拶をしてくれたひろくん。
こういうところを見ると、下に兄弟が欲しくなる。

