どうしてか分からないけれど、あたしの頭はそれが先生だと一瞬で認識した。
思わずその姿を確認すれば、隣には見知らぬ女の人がいた。
「え・・・・・。」
ガツンとした衝撃が全身を駆け巡った。
″あんこは、俺の特別だから″
あたしが春市先生の特別なら、隣にいる女の人はなんなんだろう。
あれは、一体どういう意味の特別なのだろう。
やっぱり、遊ばれてただけなんだろうか。
学校で女子にあれだけ人気なんだから、同年代の女の人たちが放っておくわけなんかないのは分かってる。
でも、キスまでしといて遊びだったら・・・・・あたしは先生を殴りたい。
目を見開いたまま店の入り口に立ち尽くしていると、ポケットに入れたケータイが震えた。
ハッと我に帰れば、もう先生の姿は見えなくなっていた。
ため息を吐いてケータイを取り出せば、お母さんから買い物終わったから帰るよ、とメールが届いていた。
「・・・バカか。」
分かったと返して、それでもなお先生の姿を探してしまった自分に向けて、そう呟いた。
「ってか、なんであたしがこんなに気にしなきゃなんないのよ。」
悶々と考えている自分に気づいて、なんだかやるせなくなった。

