翌日。
まだお父さんに会うわけでもないのに気合の入っているお母さんに叩き起こされた時間は7時。
「ねぇ。出かけるの10時って言わなかったっけ。」
ルンルンと音符を飛ばしながら化粧をしているお母さんの背中に不機嫌な声をぶつける。
「休日だからっていつまでも寝てちゃいけません。」
澄ました顔で母親らしいこと言ってるけど、単に浮かれてるだけじゃんか。
ぶーっと頬を膨らませながら渋々自分も着替える。
「っ・・。」
ふと鏡の中の自分と目が合って、視線が唇にずれたとき、一瞬昨日の事が頭を過った。
途端に頭の中は春市先生の顔でいっぱいになってしまう。
「・・・生徒には手出さないって言ったじゃん・・・・・・。」
小さく呟いてからぶんぶん頭を振って先生の顔を振り払う。
着替えを済ませてリビングへ降りれば、今すぐにでも出かけられそうな格好のお母さんがご飯を作っていた。
「朝ごはん食べたらでかけようか。」
「うん。」
若干声のトーンが上がってることにお母さんは気づいてるんだろうか。

