先生からの質問に答えるより先に、心の中で突っ込みを決める。
「・・・・たぶん、珠樹と回りますけど。」
「ならいい。」
ごく自然で当然の答えを返せば、満足気に肯く。
それきり特に何を言うわけでもなく、先生は煙草を吸っていた。
なんのためにここにいるのか分からないけど、とりあえず置いてある椅子に座る。
ただただ黙って静かな時間が流れる。
あたしはずっとケータイをいじっていて、時たま先生を窺うけど、なにも反応はなかった。
・・・・ものすごくキレイな顔が見えるだけ。
そろそろ日が暮れてきて、流石に帰ろうかと腰を上げる。
「なに。帰んの。」
「え、・・・えぇ。」
突然すぎる質問に一瞬停止したけど、すぐに元に戻って答える。
この人は何事も前触れというものが無さすぎる。
「ふーん。じゃあね。」
まるで興味もないとでも言いたげな口調で手を振られる。
・・・じゃあなんで呼び止めたの。
さよなら、と呟いて音楽室のドアに手をかけたとき。
「・・・あぁ、そうだ。後夜祭の花火は俺と見ろよ。」
「は・・・?」

