少し電車に揺られてやってきたのは海遊館。
「ここ、来てみたかったんだ!!」
「杏ちゃんに喜んでもらえるとうれしいなぁ。」
ニコニコの柏木くんと相変わらず手は繋いだまま、館内を散策中。
「見てみて!!あのサメおっきー!!」
「ジンベエザメだね。エイもいっぱいいる。」
普段クールな純平くんが、水槽に張り付くようにして見てる。
意外とこういうとこ好きなんだと思ったら、純平くんがかわいく見えてきた。
水槽の中に夢中な純平くんを、珠樹がうっとり見てて、バスの中で緊張してるとか言ってたのはなんだったんだよ。
「オレ、トイレ言ってくるわ。ここにいてな!!」
「うん、分かった。」
柏木くんが戻るまで、じっとジンベエザメのいる水槽を眺めてた。
平日なのに結構人いるもんだなぁ、とかぼんやり考えつつ、目の前を通ったエイに驚いた。
「わ、この魚変な顔ー。アゴ出てるよ、珠樹。」
・・・・・・あれ。
「珠樹?」
さっきまで隣にいたはずの珠樹と純平くんがいなくなってる。
柏木くんにはここにいてって言われたけど・・・、少しくらい動いても大丈夫だよね。
たぶんまだそんなに遠くへは行ってないだろうと、珠樹と純平くんを探して近くを歩き出した。

