「・・・やっと終わったぁ・・。」
へたりとソファに座りこんで時計を確認すれば、もう6時を回っていた。
ほんと、1日中あたしは先生にこき使われたわけだ。
いや、先生も一緒に仕事してたんだから、こき使われたわけじゃないのか・・?
「体力なさすぎだろ、お前。これくらいでへたれてんじゃねぇよ。」
口は悪いけど、その目は決してバカにはしてなくて、むしろ優しさすら帯びていた。
「さて、帰るか。」
黙って荷物をまとめていたと思えば、唐突に口を開く。
いや、あたしまだ全然帰る用意できてないんですけど。
なんて口答えできるわけもなく、慌てて荷物を持って先生の後を追う。
・・ん?
別にあたしが先生の後追う必要なくない?
だって一緒に帰るわけでもないのに。
「歩きだろ?・・乗れよ、送ってく。」
車のキーをぶらぶらさせて、爽やかな笑顔を向けられる。
い、一緒に帰る感じなのか・・・・・。
歩くよりは車の方が何倍も早いことは明確なので、黙って送ってもらうことにする。

