手でパンパンと軽く制服をはたいてホコリを落とす。
先生たちがきれい好きなのか、この教室はあんまりホコリが落ちていないように思う。
大概ここにいるのは春市先生だけの気もするけど。
「・・・え・・。」
最後に拾ったプリントを他と同じように置こうとして、手が止まった。
小さいけどきれいな字で書かれた文字たちは、見覚えのある言葉を連ねる。
「これ、クラスの・・・。」
あたしのクラス、即ち春市先生の副担クラス1人1人、生年月日から得意・不得意科目、日々の授業の様子などが細かく記されている。
どうやら前後に続きがあるみたいだけど、あたしが拾ったプリントは、ちょうどあたしを挟んで前後6人の名前がある。
チラッと寝ている先生を窺ってから、そっとまたプリントを手に取る。
『宮古杏子、9月22日。 得意科目・・国語。 苦手科目・・英語。 授業態度・・真面目だが、たまにボーっと考え事をしている。 性格・・気遣い屋で言いたいことがあまり言えない。』
ざっと目を通せば、そんなことが書いてある。
「・・・・外れてはない。」
確かに、真面目に授業を受けてるように見えて、頭の中で全然別のことを考えていることは少なくない。
気遣い屋かどうかは分からないけど、言いたいことをはっきり言えるタイプではない。
なんだか、ちょっと悔しい。
案外ちゃんと人のこと見てるんだな。
そう思ったら、むず痒い気持ちになった。

