それから約20分。
少し覗いてみれば、さっきよりだいぶ女の子の数は減っている。
「あと・・・・・・15人くらい?」
「じゃ、1人1分として15分だね。」
さらっと爆弾投下するよね。
ここからさらに15分も待たなきゃいけないんだね、あたしは。
もう入って行く女の子の姿も見えないので、あそこにいる15人ほどが最後尾だろう。
「つーかさ。こんなに待ってまで春市先生にお礼言わなきゃなの?」
「・・・・・・確かに。」
もうちょっと早く指摘してくれればいいのにね、珠樹もさ。
ズーンとうなだれたあたしの肩を抱きながら、珠樹はクールないでたちだ。
「でもまぁ、ここまで待ったんだから最後まで待とうか。」
なんて言葉と共に。
小さくこくんと肯いて、そこから約10分。
最後と思しき女の子が顔を真っ赤にしながら出てきたのを見て、あたしは職員室を覗く。
「やっと・・・・・・いなくなったぁ!!」
「はい、それじゃあ行ってらっしゃい。」
壁に背中を預けた珠樹は、そろっと手を振った。
「え、珠樹来てくれないの?」
「あたし関係ないもん。」
当然でしょ、って顔で言われちゃえば、それもそうかと納得せざるを得なかった。

