「・・・・・・。」
「・・・・どんまい、杏子。」
あたしが珠樹に慰められている理由は、手元にある1枚の紙。
「おっしいなぁ、杏ちゃん。もう少しやったのに。」
後ろからひょこっと顔を出しては手元を覗いた柏木くんが、顔を歪めて言う。
「・・・・殺される。」
「え?」
「は?」
ボソッと呟いた言葉は、とても穏やかなものではない。
54点。
普段のあたしなら踊り狂って喜ぶような点数なのに、まったくテンションがあがらない。
それは、もう理由なんて考えるまでもなく分かるわけで。
「英語のテスト54点で誰に殺されるの。」
冷静な突っ込みをくれる珠樹は、事の重大さを分かってない。
“60点。それ以下はあり得ねぇから、覚悟して臨め”
補習最終日の帰り際、いつも通り怖い顔をした先生の言葉がフラッシュバックする。
取っちゃったよ、先生。
あたし、60点以下取っちゃったよ。
これ・・・死亡フラグ見えてますよね。

