「・・・・・それで?なんでお前までいんだよ、柏木。」
「え?勉強に意欲的なんすよ?ダメですか?」
「・・・いや、大歓迎だ。」
なんだか不穏な空気が流れている英語科研究室。
ここに着いた時にはすでに先生はいて、ドアをガラッと開け放した柏木くんはなにも言わずにあたしの隣に座って、先生の言葉を待っていた。
案の定というかなんというか、先生はしばらく柏木くんに触れずにいたけど、帰る様子がないことを悟ったのかついに口を開いたのだった。
「・・とりあえず、昨日のプリント出せ、あんこ。」
「え、先生杏ちゃんのこと、あんこって呼んでるんすか。」
「あ?そうだけど。・・俺だけがしていい呼び方だから真似すんなよ。」
「ただの使い走りの呼び方なのに、特別なんすね。」
「悪いか。」
ほらまた。
あたしには2人の間に火花がバチバチ飛んでるのが見えるよ。
そっと机の上に昨日の宿題を置いて待ちながら、背中には冷や汗をかいている。
・・・なんであたしがヒヤヒヤしなきゃなんないのよ。
っていうか、“俺だけがしていい呼び方”とか、まるで独占欲働いてるみたいじゃん・・・。
雑用係をなくしたら惜しいってだけなんだろうけど。

