結局昨日は、基礎を叩きこまれて終わった。
補習なのに全然授業を補ってもらうことはできなかった。
・・ボソッと先生に言ったら、それ以前の状況だろと怒られてしまったけど。
そして今日はいよいよ補習らしい補習をするらしい。
昨日例によって大量に宿題を出されて、普段より寝る時間を3時間も遅くしてまで終わらせた。
あたし、ちょっと成長してるかもとか調子に乗ってみれば、すぐに先生のイライラした顔が思い浮かんで反省した。
「・・なぁ、杏ちゃん。」
「ん?」
放課後、補習のために英語科研究室へ向かおうとすると、柏木くんに呼び止められた。
「補習、大変ちゃう?担当春市先生やろ?」
彼がこういう風に心配してくれるのは、たぶんこの前あたしは先生の使い走りだ的な発言をされたことが発端だろうと思う。
「うん、全然平気。・・・・・あたししか、補習者いないんだけどね。」
「え!?そしたら杏ちゃん、春市先生と2人きりなん!?」
後半、少しだけ声を小さくして言えば、柏木くんが一段と声を大きくして反応する。
コクンと頷けば、サーッと彼の顔が青ざめる。
「・・・あかん、そんなん・・絶対あかんで・・・、なにされるか分かったもんやない・・・。」
なんだかぼそぼそと震えながら呟いていて、しばらくするとガバッと顔をあげた。
「オレも、補習受ける!!」
急に張り切ってそう言って、あたしの腕を取って研究室へずんずん進んでいった。

