バンっと音を響かせて、先生はあたしのファイルを机に叩きつける。
思わず肩が震えたけど、先生の機嫌がさらに悪化したことは言うまでもない。
「・・まぁ、あんまり期待はしてねぇから安心しろ。」
なにに安心したらいいのかわからないけど、今は怒ってるというより本当に呆れてると言ったほうが正しいみたい。
「・・・すいません・・・・・・。」
このままじゃなくなるんじゃないかと思うくらい縮こまって謝る。
「とりあえず、出せ。一緒に解くぞ。」
学校の先生らしい言葉を聞いたのは、授業以外で初めてかもしれない。
なんて、大袈裟かしら。
「はい・・。」
大人しくファイルから宿題を取り出して、ゆっくり机に置けば、すぐさまひったくられるようにして先生の手元へ。
「・・・・・・。」
1ページ目から手をつけてないもんだから、もらったときのまま真っ新だ。
それを見ながら先生は段々顔色を悪くする。
「・・・お前は俺の想像を軽く上回ってくるんだな。」
ハァとわざとらしく大きなため息をついて、先生は自分のいすをあたしの横へ持ってくる。
「とりあえず、ここから解け。辞書使っていいけど、それでもわかんない単語とかは聞け。」
「はい。」
あたしの返事を最後に、研究室にはしばらく紙とシャー芯の擦れる音と、あたしたちの呼吸だけが響いた。

