春市先生の教師人生最初の授業は、女子たちからの質問攻めでまったく授業にならなかった。
そりゃ確かにイケメンだし、カッコいいし、優しいけど・・・・・・。
″気をつけろよ″
「っ・・・・・・。」
あたしはバカなのか。
なぜさっきの先生の言葉を思い出す?
「いやー、凄かったね、先生。」
「え、あ・・・・・・うん、ヤバかったね。」
ポーっとしすぎて珠樹の声も聞こえなかった。
いかんいかん。
これじゃ周りの女子と同じじゃないか。
第一相手は先生だし、あたしなんか相手にされないんだろうから、うん。
・・・・・・。
って、これじゃあたしが先生の事好きみたいじゃんっ!!
「違う違う!!」
「杏子!?何が違うの?」
急に叫んだあたしに珠樹が目を丸くした。
「ハァー・・・・・・」
変なの。

