「今日もだ…。」


学校が近くなるにつれて、一緒に登校してくるカップルを見ると、何故か落ち込む。

自分には大切にしてくれる彼はいないんだと。



「おはよー、彩歌」

「桜おはようー!」

教室に入るといつも一緒にいる水上彩歌と他愛もない話をする。


「…でね、その猫がね、あたしにすり寄って来てね!もう嬉しくて嬉しくて…!!」

「その猫は彩歌の事気にいったみたいだね!」

「やっぱり!?もうお母さんに聞いてみようかな~?あ、吉倉来た!」



「おーい、席つけよー!HR始めるぞー!」

担任の吉倉先生の一言でみんな席に着く。




今日も平凡で、男の子と縁がない生活を送れると実感した。