〜千春〜





消しゴムを握り、告白をした。



あの日から、ヒートアップすると思っていたいじめは……。







次の日学校に行くと、何かのドッキリかと思うような光景が目に入った。




黒板いっぱいにかかれた『公認カップルおめでとう!』という文字。






みんながにこやかに笑うなか、私をいじめていたグループのリーダー的存在、彩絵だけが重苦しい表情をしていた。






な、なに……??






「…ごめんっっ!!!!」





「え……?」




彩絵が急に謝ってきた。






状況がイマイチ理解できない私は、ただ呆然と口を開けている。







「私…ゲームで誰かいじめようって考案して…ヌケガケしてた佐倉さんに決まって…」





そう言うと彩絵は涙を流した。



「でも……やっぱりさ、人が誰と仲良くしようと人の勝手…だから「もういいよ」





彩絵に発した言葉は小さくて聞こえないくらいだったけど…。








みんな静かにしているおかげでちゃんと聞こえた。




「で、昨日見ちゃったの、私。佐倉さんが下駄箱で告白してるの」




「……」




彩絵に言われ、顔は赤くなっていただろう。






「おめでとう!!!」








笑顔で彩絵は私に言った。



昨日の告白で、私の人生はガラッと変わった。






いじめは終わり、逆に仲良くしてくれるようになり、海との幸せな日々も始まった。