〜達磨〜





変だ。



変だぞ。






これは変だ。





俺は1人、自分の席に座り込み休み時間に考えていた。






最近、千春が俺と距離をおくようになったような気がする。




いや完璧に距離をおかれている。






話しかけると無視する。



追いかけると走って逃げる。





そんな感じで千春とは一週間話していないのだ。




いじめはあれからヒートアップした。






だけど俺が助けに行った時も、「あっち行ってよ…!」と追い出された。



なんなんだよ……。






すると誰かが後ろから俺に声をかけてきた。



俺は振り向かず、背中でその言葉を受ける。




「海」




「……千春」




その人物は、振り向かずともわかった。



俺を「海」と呼ぶのは千春しかいないからだ。





なんだよ。




今まで散々無視してきたくせに。






「私なら、大丈夫だから」





は?



何がだよ。






何が大丈夫なんだよ?





おい、千春…!





俺はそれを言葉に出来なかった。








「私は、いじめられても大丈夫だから。心配しないで…」






何が大丈夫だ。




何が心配しないで、だ。








「心配するに決まってんだろっ?!」





俺はつい口に出していた。