教室のドアを開けると鋭い目達が私を襲った。



どうやら、見てる人が居たようだ。





しかし、遅刻ではなかったのでいいとしよう。




海が守ってくれる…。



このお守りがある…。




私は、1人じゃ耐えられない事を抱えているんだな、と今更感じた。



「佐倉、何でこんなに遅いの〜?」



「しかも達磨くんと一緒に登校してる〜」





「…意味わかんねぇんだよっ!!!」




その瞬間、運動神経のいい彩絵の拳がとんできた。






目を瞑る。




怖い怖い怖い怖い……!






パシッーーー。




海…だよね?




恐る恐る目を開けると、海が左手で無表情で彩絵の拳をとめていた。





「だーかーら、お前ら何してんの?大体さぁ、いじめのメリットって何?」




海が睨みながらそう言うと、彩絵達は黙り込んでしまった。





「メリットねぇんなら、こんな事すんなよ!!!」




海は大声で言うと席についた。


私も海を追いかけるように席につく。





彩絵はドアの所で立ち尽くしたままだ。



「…何よ……何よ…!!佐倉!!!達磨くんに頼るなんて卑怯よ…!!!」




は?

意味わかんない。




その言葉が私の脳内を駆け巡る。


すると、海が何か言おうとした。




でも私は言った。






「そっちは何人でこっちをいじめてるの?そっちの方が卑怯でしょ」




「千春…」





海はポカーンと口を開けている。



そんなに意外なのだろうか。






「っ……!」




もう彩絵はそれ以上は言わなかった。