「なーなー、名前は?」




「…佐倉 千春」



「じゃー、誕生日いつ?」




「…4月4日」



「じゃーあ、血液型は?」




「………」





「なーなー」


「……うるさい」




「うぉ…千春恐るべし」




さっきから物凄い量の質問を受け、とうとう我慢できなくなり呟いた、という流れだ。



授業中に、ね。




ほんっっと何なのコイツ!!


勝手に呼び捨てにするわ、からかうわ、質問攻めで困らせるわ…。





いいところがない!



そんな感じでイライラしながら授業は終わった。




が、しかし。


達磨は簡単に帰らせてはくれなかった。





「よぉ」


「何よ」



「今日一緒に帰らねぇ?」


「帰る訳ないでしょ」




はっ?!



いきなり何を言う?!


いいよ、とでも言うと思ったのか?!




ますます馬鹿に見えてくる。
もうその辺でやめようよ。



私だって我慢の限界というものが…。





「じゃ、一緒に帰る!決定〜!」



「は?!な、何勝手に決めて……」





冗談じゃない。



こんな奴と一緒に居たら私まで達磨の馬鹿が感染してしまう。




それは何をしてでも避けなければ…。






「オススメの喫茶店あるんだよ。一緒に行こうぜ」




「だから…嫌だって」





こんな奴と喫茶店?!


冗談じゃない。





「何で嫌?別にいーじゃん」


よくない!!



いい訳ないでしょっ!





ムカつくな、コイツ…。



「よくない!…帰る」




「ちょっ…まてよ」





待つもんですか。



私はスタスタと教室を出て昇降口に向かって歩き出した。