〜千春〜





もう、無理…。



誰も私に手を差し伸べない。


どんどんヒートアップするいじめに、もう耐えられなくなってきたのだ。






助けてよぉ…!

海…。




「海……っ!!」




家で散々泣いたあと、学校へ向かった。



学校の校門の前で、誰かが走ってきて私を抱きしめた。



「千春……っ!ごめんっ……」



「…か、海?」





目の前には海がいた。



海が私を抱きしめていた。





私は涙が出そうになる程嬉しかった。



いつもなら殴り飛ばすところだが、私は蹴り飛ばす元気さえなかった。





「俺っ……いじめられてるの知ってて助けなかった…っ!」




「……」




それは、私がやめてって言ったからじゃん。



海のせいじゃないじゃん。




なのになんで、海は自分のせいにしちゃうの……?