〜千春〜




どうやって耐えればいいのだろう。




この悪夢のようないじめの毎日を。





私が海と仲いいくらいでいじめないでよっ!!


私が誰と仲良くしようと人の勝手でしょう?!





言ってやりたいよ。


でも……。





そんな事を言うと余計にいじめがヒートアップする。



だから我慢、我慢…。





ひたすら我慢する…。



「おい、大丈夫なのか?!千春!」



授業が終わり、帰ろうとすると海は私を呼び止めた。




「もうやめてよっ!!!」





心配する海を睨んで話すと、酷い声が出た。



海は驚いて口を開けている。





「…もう、話しかけないで……っ!!」



私は走った。




けど、海は足が速くて。



すぐ追いつかれた。






「何だよ……っ!心配してやってんのに…っ!!」



やめて。


やめてよ、海。




もうやめて……。





「俺、心配なんだ。千春の体が大丈夫かどうか」



「やめてって言ってるでしょっ?!海が私に優しくすると私がいじめられるの!!」




私は靴を履き替え全速力で走った。





もう、どうする事もできない。







初恋の人は諦める。