「えー、男?女?」
「かわいいー?」
「カッコいいー?」




などと興味津々なクラスメートがうるさく先生に質問をする。


うるさい…。




たかが転入生如きで。



今日、私のクラスには転入生が来るらしい。


まぁ、私は興味ないんだけど。




「静かにー!」


先生の言葉も無視し、ぎゃあぎゃあと騒ぐ。



ただの馬鹿にしか見えないよ。


私は、学校に友達は居ない。だからこういう時話す人が居ない。



だから、いじめられやすかったんだろうなぁ。


そんな事を考えていると…。




ガラッーーー。



勢いよくドアが開いた。




転入生やっと入ってきたか。





「きゃー!!男だー!!」
「イケメンー!!」



あぁ、男なんだ。


ずっと俯いているので転入生は確認できない。




あー早く終わんないかな。



「俺、達磨 海(たつま かい)ですー。あーよろしく」



「きゃー!!カッコいー!!」




…嘘?


コレがカッコいいの?!




こんなおちゃらけた自己紹介がカッコいいの?!




俯いてウトウトしかけていたが、そんな女子の言葉に起こされてしまう。



あーよろしく。って何?!




適当すぎるでしょ!



「達磨さんの席は、とりあえず空いている席で」



「はいー」




空いてる席なんかあったんだ…。




ガタンッーーー。



ん?




すごく近くで椅子に座る音がした。


まさか、と思い恐る恐る顔をあげる。




目の前の席にはその転入生、達磨 海が居た。




別にカッコいいって訳でもないんですけど…。




「いゃぁ…!」





聞こえないように叫ぶ。

が。




「何か言った?」




達磨 海が振り向く。



いちいち振り向くなよ!!





顔が熱くなるのを感じた。


「な…何も」



声が上ずった。




何よ…!!


何でよりによって私の前の席?!


その席、空いてたっけ?!






そして、転入生 達磨 海にからかわれる毎日が始まった。