朝食をマックですまし

朝食と言ってもお昼に近かった。

「不動産屋さん覗いて見る?」

店頭に出ている物件を

「家賃が高いね。」 とか、

「荷物が沢山あるから、

一部屋じゃ足りないんだよね」とか、

いろんな事を言いながら見ていた。

何件か見て、ある不動産屋で同じ様に

見ていたら、

「中にも沢山の物件がありますから、

良かったら、ご案内しますよ。」

と外回りから帰って来たばかりの

女性が笑顔で言ってくれた。

「どうぞ!」

意外と強引だったが、

私達は後に続いた。

「どうぞ」

と手でイスを指した。

「ありがとうございます」

と言ってイスに腰を降ろした。

私達の前に麦茶を出してくれて

「どう言った物件をお探しですか?」

詳細を書きながら聞いて来た。

「今度…」

璃子は言葉に詰まっていた。

「そうですか…言いにくい事は…

言わなくも結構ですよ」

女性はそう言ってくれたが…

その言葉で、璃子は安心できたのか

「離婚の為の別居をしたいんです!」

彼女は驚きもせずに、こう言った。

「そうですか…では、

希望があったら、何でも言ってください

かなりの物件は用意してありますから」

また何かを書いていた。