その後もベッドの中で

しばらくは余韻に浸っていた。

「もう、そろそろ、時間だよ」

チェックアウトの時間が迫っていた。

「お金ってどこで払うの？」

初めて来たのだから無理無いけど

部屋の玄関に自動支払い機がある事を

知らなかったみたいだ。

「ここだよ！

この支払機にいれるんだよ」

"お〜っ"と

1人でうなずいていた。

ホテルから出たら、日差しが眩しい

「お腹すいたね。」

と聞くと

「うん…すいたね。」

携帯を見ていた。

「マックでも行く？」

アクビをしながら言った。

「旦那から…着信がある…」

一気に現実に引き戻された感じだ。

「あ！」

妻からの着信とメールがあった。

「まーくんはしないの？」

旦那へのメールを、

書きながら聞いて来た。

「うん…しないよ…」

する意味が分からなかったので

そう言った。

徒歩で駅までゆっくりと向かった。

30分ぐらいの道のりだったが、

これ迄の事とか、将来の事とかを

話し合った。

「旦那とは、別居…」

私を見ている。

後押しをして欲しそうな顔で

私を見つめている。

「…だ…」

「旦那とは離婚して、結婚しよう」

など…軽々しく口にして言い訳が無い。

私はまだ妻と離婚をして無いのだから。

璃子が携帯を見た。

「…旦那からだ！」

旦那からメールの返信が

あったみたいだ。

「……まーくん」

旦那からメールを見た璃子が

「やっぱり別居するよ」

と私を見て笑った。