「どこが美味しいの?」

と聞いたら。

『ハモニカキッチン』

「ランチだけ、

1000円で食べ放題なんだよ。

そこに行こう!」

と言って自然公園を後にした。

「えーと!

…ここを曲がって…ここを?

あ! こっちを曲がって…

不二家があって…」

どうしたんだ?

「庭なんだよね?」

少し不安気味に尋ねた。

「うん! 庭みたいなもんだよ!

2〜3回来た事あるからね。」

え?2〜3回って?

「あれ? 不二家の所を曲がって…」

不二家ってさっきから

何度も通り過ぎてますが…

「あ!…ハモニカキッチンって…」

先に私が見つけてしまった…

どう誘導したら…

「ねぇねぇ!

不二家の所にハモニカ横丁って

書いてあったよ。」

と看板を指差した。

なぜなら、その看板の奥に

ハモニカキッチンの看板が

出てたからだ。

璃子もようやく見つけてくれたので

ハモニカキッチンに入った。

お店は狭く

両サイドに三階建てと二階建に

別れていて

私達は三階建てのビルの

二階のカウンターについた。

私は先に荷物を座席に置いて…

璃子は先に食べ物を選んでいた。

そこに私が

「塩鯖が美味しいそうだね。」

と璃子に声をかけたつもりが…

お店の人が

「今日のオススメです。

後は卵焼きと焼きそばですかね」

また焼きそばですか…

五穀米と豚汁と塩鯖、

卵焼きとサラダを盛り付けして

席に戻った。

カウンターの前には調理場があって、

私は調理を見ながらランチを食べた。

「あ! 焼きそばを作る!」

何で?テンションが上がるのか?

焼きそばが出来上がったそばから

「すいません。2つ良いですか?」

店員さんが、ニッコリとして、

「どうぞ、」

と言って作り立ての焼きそばを

優先的に取らせてくれた。