「ただいま………」
と小さな声で言って
リビングに入って行った。
相変わらず、
部屋の中はくらい。
「くらい」
っと言っても
明かりが付いていない訳では無い。
ボーっとしている
妻がいる。
子供達は、
それぞれの事が精一杯で
親の事など構ってはいられない様子だ。
それもそうだ。
長男は、就活で、
次男は部活と受験で、
精一杯だからだ。
時間にして1〜2分ぐらいだろうか、
ハッっと私に気付いたが…
「……………」
また。
考え込み出した。
風呂から出で来て、
髪をタオルで拭きながら、
冷蔵庫を開けて、
冷えたビールを取る。
まだ、
ボーと考え込んでいた。
息子が
「お腹すいた」
また。
ハッ!っとして、
「ゴメンなさい!
すぐ支度するから…」
そう言って、
立ち上がり食事の仕度を始めた。
「ゴメンね。」
と言いながらテーブルに
食事をならべた。
私も当然のように
テーブルに着いたが……
「………?」
私のはない?
「ねえ、俺のは?」
と言うと
「何で?
私があなたに
食事の用意しなくちゃいけないの? 」
とケンカ腰で言って来た。
「はぁ?」
少し苛立った声で言った。
「食べたかったら、
ご自分でどうぞ!」
