取り出したのは、可愛らしい封筒。
それをはにかみながら、真昼に差し出してくる。
「これをね、いつでもいいんだけど……いや、できれば近いうちに…渡してほしいの。」
「うん、わかった。」
真昼は笑いながら、その手紙を受け取った。
内心、焦りながら。
昨日ああやって、余裕をぶっこいているんじゃなかった。
確かに“気になっている”けれど、口に出した時点で“好き”に変わっているのもわかってた。
本当は、突き返したいくらい。
本当は、この子より先に──
いや、それはまだ無理だ。
その後、真昼は自分の作り笑いに頼るしかなかった。

