しばらく他愛もない話をしていたら、急にユカが、身を乗り出してきた。
「あの、さっき言ってた相談なんだけど……」
少しだけ、こちらを伺うような視線になった。
「ん、何?」
真昼は首をかしげながら、心の中では検討をつけていた。
きっと───
「あのさ、真昼ちゃんさ、バンドやってるよね?」
ほらきた。
「う…ん、やってるよ?」
真昼も内心身構えた。
なんせ、昨日のがあるから。
もし裕太なんかがきたら…──
「わたしね、実は……───
裕太くんが、好きなんだ。」
あ、どうしよう───
真昼はアメリカで、ポーカーフェイスと作り笑いを身に付けてきた。
なので、表情を動かさないように全霊を注ぐ。

