「…おはよう、真昼。」
裕太は席にカバンを置きながら、隣の席に座る人を見た。
自覚してからだと意外に自棄になれるのがすごい。
「…おはよう、裕太。」
真昼は少し驚いたように呟いた。
その反応を見てから、朝恵達と話していたことを思い出す。
「そうだ。今日の放課後……俺の家で勉強会やるんだけど。……来る?」
やっぱり、前みたいに気軽に話せない。
そんなことがもどかしくて、イライラして。
「え……?」
「あ、俺と、恵と隼人も!」
裕太は慌ててつけたす。
そんな、少し心配そうな顔をされたら。
「あ、うん……いいよ、行く。」
そしてなぜか、少しだけ自嘲するように笑った。
今度は、裕太が不意打ちをされる番だった。

