「そうだよ!やろうぜ、ここで!」
「…は?」
真昼はいきなりの裕太の変わりっぷりに、呆れた目をした。
「だから、屋上で!今日!」
「え……え?なんで今日!?」
「だって、これから梅雨とか夏とかで暑くなるし。」
「いや、だからって…」
「よぅし、そうと決まれば担任にかけ合うか!真昼は恵たちに言っとけ!」
そして裕太は、パッと真昼の手を離した。
「あと、授業遅れるってのも!」
裕太はそう言うと、颯爽と屋上のドアから消えて行った。
真昼は温もりの残る手のひらを見ながら、ため息をついた。
「ホント、行動力ある馬鹿なんだから…」
そして真昼も、本鈴が鳴らないうちに、と駆け出した。