そして、とある1曲を指差す。
「これとか、最近のだけどかぶんないんじゃない?俺らに合ってるし。」
それは確かに、くれわに合ったバンド曲だった。
形成も同じだし、兼ボーカルが男だが高音だからである。
「おー、いいんじゃない?あとはあるかな?」
真昼も身を乗り出し、紙をめくった。
「やっぱ形成同じだったらやりやすいよなぁ……同じバンドの曲、あと何個かあるよな?」
恵も身を乗り出してきた。
となれば、隼人も参加してくるわけで。
「あ、俺はあれが好き!」
そんなこんなで邦楽が決まったとき、ちょうどよくチャイムが鳴った。
「あ、戻らなきゃ!」
真昼が慌てて立ち上がる。
「うお、マジか!紙持って帰るよ?」
裕太も慌てて立ち上がり、紙を掴んだ。
「あー、オッケーオッケー。放課後また集まろう。」
「おー!」
恵に手を振りながら、裕太は小走りの真昼を追いかけた。