真昼は少し驚いたように裕太を見ていたが、不意に、顔を険しくした。




───あれ、何かした?



裕太は咄嗟に不安になった。




「…裕太さ、中間テストいつか知ってる?」



あ、そっちか。


なんて軽く思える問いじゃない。



裕太の目は不自然に空中をさ迷う。




すると、真昼のため息が聞こえた。



「見てあげるから。ほら、教室行こ?」



真昼はそう言いながら、スタスタと歩いていく。



「バンドは最終日の放課後ね。」



裕太はそれを聞いて、咄嗟に頬を緩めた。



「おぅっ…!」




裕太は真昼の背中を追いかけた。