「んー…ギターが第一にくるから、って。」
「…納得したの?」
「ん、まあ。」
裕太はくるりと向きを変え、校庭を見下ろした。
「ここに来るとさ、思い出さない?前ここでやったときのこと。」
何気なく呟く。
今の空気なら、大丈夫な気がする。
真昼はワンテンポ遅れて、裕太と同じように見下ろした。
「うん……気持ちよかったよね、あれ。」
「そうだよなぁ…文化祭も野外ステージだっけ?」
「そうそう。…楽しみだね。」
真昼がクスリと笑った。
久しぶりに見たような気がした。
「あー、練習したくなってきた!」
裕太は伸びをしながら不意に叫んだ。
なんだか、今すぐにでもギターを弾きたい気分だ。