「…………真昼、」
気まずそうに目を逸らした真昼を、裕太は呼んだ。
柵にもたれ掛かる裕太と真昼の距離は、かなり遠い。
だが真昼は、ひとつ息をついて小走りでやってきた。
その姿が無性に可愛いのは、目に何かフィルターがかかっているからかもしれない。
真昼が来たので、裕太は取り敢えず口を開いた。
「…昨日もらった手紙の相手、…」
「あぁ、ユカ?」
真昼の口調が何気なかったので、裕太は内心ほっとしながら言葉を続けた。
「そう。さっき、振ったから。」
真昼がパッと顔を上げた。
予想して見つめていたので、目線が合う。
真昼は心外そうな顔をしていた。
「……なんで?」
真昼は顔を下に向けながら呟いた。

