裕太の後ろに立ったのは、茶髪の少女だった。 髪の長さは胸くらい、前髪は右に流されてきっちりと揃えられていた。 その少女は2人を見ると、心なしか、ニヤリと笑ったように見えた。 「あぁ、これが恵くんと隼人くん?どっちがどっち?」 彼女は変わらず、澄んだ声で裕太に訊く。 裕太も平然と答えた。 「ちっちゃい方が恵。もう1人が隼人。で、こっちが──」 裕太は少女に手を向けた。 「今日転校してきた、梶谷 真昼。」 「よろしく。」 彼女──真昼は、ニコッと笑った。