確かに、普通に見ればいいとこは突いてるんだけど……




言葉を選びながら思い浮かべるのは、どうしても真昼だった。




「えーっと、俺…まず第一にギター、みたいな感じだし、」



「っ、それは、大丈夫だよ?」



ユカは振られるのがわかっているかのような食い付きだ。



それに、裕太は眉を下げる。



「あと俺……好きな人、いるから。ごめんね。君とは付き合えない。」




昨日の真昼が思い浮かぶ。



手紙を渡されたって、俺は振るのに。


ただ一人以外は。




ユカは目に見えてしょんぼりとした。



「…わかった。ごめんね、ありがとう。」



そしてそう呟いて、階段を降りていった。