真昼の肩越しに、かなえが見えた。
少しだけ予想外、という顔をしている。
「裕太の……彼女サン?」
あぁ、ほらやっぱり───……
「かなえ!」
裕太は叫んで、真昼の横に並んだ。
「違うから。バンドのメンバーだから。」
するとかなえは、真昼を見た。
品定めをするかのように顔を覗き、ニコリと笑う。
「それは失礼しました。でも可愛いですね。裕太たちのバンドにはもったいないくらい。」
なんだよいきなり外仕様になりやがって──
裕太は心の中で悪態をつきながら、かなえに向き直った。
「今日は恵たちも夕飯食ってくから。」
「あぁ、そう。ね、名前はなんていうんですか?」
かなえは夕飯のお供よりも真昼が気になるらしい。