1限の授業が終わり、休み時間になると、廊下が騒がしくなり、叫び声まで聞こえてきた。
その声の中心にいたのは律と隼大だった。
2人は周囲の状況を全く気に止めず、ただ目的地に向かっていた。
「あれ?律のお姫さま元気がないみたいだけど、どうしたの?」
「あ…それが…」
穂波は律と隼大に事の説明をした。
「へぇ~…なるほどね。さて、律どうする?」
「お前面白がってるだろ?」
「あ、バレた?」
「ハァ~…」
律は隼大の発言に溜め息をつくと、花菜の机に近付き、前の席の椅子にこしかけた。
その様子を隼大や穂波は離れたところから見守っていた。

