「だってこの指輪ってMYU-cloverのでしょ?」
「たぶん…」
「たぶんって…。ねぇ、花菜の婚約者って、最近知り合ったんだよね?」
「そうだよ?」
「ねぇ、本当にその指輪、花菜にプレゼントする物だったのかな?」
「…どういうこと?」
「だって、半年待ちの指輪をここ数日で買えるだなんて、信じられないじゃい」
「あっ…」
「本当は別の誰かにあげるものだったんじゃないの?」
「……」
「実は半年前まで付き合っていた人がいて、本当はその人にあげるものだったとかなんじゃない?じゃなきゃ、おかしいよ」
花菜は穂波に言われたことが頭からずっと離れず、1限の授業が頭に入ってこなかった。
そんな花菜の姿を見た穂波は、自分が言ってしまったことに、罪悪感を感じていた。
どうしたら花菜が元気になるのか、考えても思いつかなかった。

