「凄いですね」
「まぁ、これくらいセキュリティがないとな」
「副社長ですもんね」
「まぁな。それより、こっちに来てみろよ」
「何ですか?……わー!凄い!きれい!」
「フッ…初めて笑ったな」
「えっ?」
「今日俺と会ってからずっと困惑した表情しかみてなかったからな」
「……」
花菜は言われて初めて自分が笑っていなかったことに気付いた。
それと同時に、今、奏大が一瞬笑ったように見えたことに、花菜は驚いた。
「すみません…」
「いや。少しずつ慣れてくれれば良い。まだ始まったばかりたからな」
「はい…」
「じゃぁ、部屋を案内する」
そう言って、奏大は部屋を案内した。
花菜にも部屋が与えられたが、寝るのは奏大と同じ寝室だということに、花菜は緊張した表情を見せた。
そんな花菜を見た奏大は、安心出来るように頭に手を乗せた。

