「ピアス?」
「あぁ…」
「…でも、片方だけ?」
「あぁ。もう片方は俺がつけてる」
「あ、本当だ。気付かなかった…。でも、何で片方だけ?」
「片耳のピアスは昔から言い伝えがあるんだが…知っているか?」
「ううん…」
花菜は、奏大のことを見上げた。
すると奏大は、ピアスの由来を話し始めた。
「ピアスは男性の装飾品で、愛する女性を“己の勇気と誇りを掛けて守る”と言う誓いが、左側のピアスには込められていて、対になった右側のピアスを、女性に贈る事でその意志と想いを告げたとか。それを受け取った女性は、愛する男性の“その想いに答える”と言う想いを込め、男性と密接する右側に着け、告げられた想いに答えたんだと」
「知らなかった。だから奏くんは左耳にピアスを付けてるんだね」
「あぁ…」
「でも、せっかく貰ったけど私、ピアスホール空いてないよ?」
「あぁ、知ってる」
「まさかとは思うけど…今空けるなんて言わないよね?」
「…そのまさかだ」
「っ!!」

