sweet memory





次の日




昼休みになると、花菜は穂波に連れられて屋上に来ていた。






「さぁ、ここなら邪魔されずにゆっくりと話が出来るわね」

「ごめんね…」

「花菜のせいじゃないって。休み時間の度に群がってくるバカ女達がいけないのよ」






そう、昨日の騒ぎがあっという間に学校中に広まり、花菜を人目見ようと、休み時間の度に人が廊下に群がっていたのだ。
中には暴言を吐く物もいて、教室に居づらくなっていたのだ。






「それで、花菜はあの冷酷王子様とどういった関係なわけ?」

「りっくんは私のお兄ちゃんなの」

「そう、お兄ちゃんなの。…って、えぇーっ!何それー!」







穂波は驚いて立ち上がった。
そんな穂波の様子に、花菜は苦笑いするしかなかった。







「そんなに驚くことかな?」

「だって、私が知ってる限りじゃ、妹がいるだなんて情報はなかったけど…」

「そりゃぁ、コイツが俺に妹がいるって内緒にしてたからだよ」