恋なんてしなきゃ良かった

-----次の日-----

「……沙奈…来ないな……」

『◯◯便が出発いたします。

まだお乗りになっていないお客様は

〜〜〜〜』

「行くか…」

「ハァハァッ…カズーーー!!!」

「沙奈!早くしないと乗れな…」

「違うの!!……私…私は、カズと

一緒に行けない!!

勿論、カズのこと好きだよ!

でもね、私に好きって気持ちを…

愛を教えてくれたのは、美原なの!!」

「……そっか!!沙奈、俺また戻って

来るから!!待ってろよ!」

そういって笑った。

泣きそうな目で笑った。

他の乗客が見ていたのに、不思議と

恥ずかしい気持ちにはならなかった。

「うん!!」

このとき、私はカズを振った。