恋なんてしなきゃ良かった

「え…」「きーさーらーぎーさん!!」

私の声は消された。

「…えっと…野球部のマネージャー…

じゃなくて、美香先輩!」

「ふふっ!ちょっといいかしら?」

「は、はい!」

野球部のマネージャーの高井美香

(たかいみか)先輩は私を屋上に

連れてった。

「……駿のこと好き?」「…え…」

「ごめんね、唐突で。でも確かめたくて

さ。私、駿のこと好きなんだ」

「…そ…うなんですか…」

心臓がドクドクと早くなるのが

分かる。

「…告ったよ」「はい…」

心のなかで無意識にOKして

ませんようにって祈ってた。

「振られちゃった!!沙奈が俺の

初恋で沙奈以外考えられないってさ…」

心のどこかで喜んでる自分がいた。

ホントダメだな、私。

これから美原を傷つけることになるのに

なぁ…。