恋なんてしなきゃ良かった

私は……どっちを選んだらいいの…。

どっちを選んだら幸せになれるの？

わからないよ。分からない。

教えてよ…。こんな苦しくなるのは、

誰のせいなの…。

「…なんで美原君が好きなんですか？」

「……優しくて…不器用で、

でも一生懸命私に気持ち伝えてくれて」

……美原は、私が持ってないものを

持っていて…。

みんなに好かれてて、優しくて…。

私、美原に憧れてたんだ。

自分と真逆だから。

じゃあ、この気持ちは恋じゃないの…？

「……元カレの好きだったところは？」

「……バカで…たまらなく好きだったの。

だけど、嫉妬深くて…それが私への

愛で…」

「……どっちも好きなんだね」

「えっ…」「…だって好きじゃなきゃ

そんな風に表現できないよ。

どう悪く言っても褒めてるように

聞こえるよ。どっちを選んだら

幸せになれるか、じゃなくて、

どっちを選んだら後悔しないか、じゃ

ない？」

「……うん……」

この子の言葉に後押しされた。

私が後悔しないのは….………。

「…ふっ…」

誰かが笑った。

「……まぁだ美原のこと好きだったんだ

ー。ホント昔から諦め悪いよねー」

「…なんで、百合奈が…」

「…だって私もまだ美原のこと

すきだもん」

「そうなんだ。でも私…」

「…あ、一つ沙奈に謝っとくー」

「え？」「沙奈、事故にあったでしょ。

あれは私の仕業だからぁー」

「え….…なんで…」

「あんたが珍しく補習受けてた日。

美原も受けてたでしょ。

私、美原を迎えに行ったの。

そしたら、私と無理やり付き合ってる

って言ってんの聞いちゃってさぁー

ムカついたから知り合いにたのんで

沙奈を事故に合わしたのー」

「……あんた自分が何したか分かってんの！？」「…それはこっちのセリフよ！

私から美原奪ったくせに！！」

「違う！！私はなにも……」

「なにが違うのよ！！結果的に

付き合ってんじゃない！」

「……それは…だいたいあんたは

私に隠れて付き合ってたくせに！！

この裏切り者！！」

「裏切り者？どの口が言うのよ！！

あんたの方が私を裏切ったんじゃ

ない！！」

「え……？」