その後も試合は続いた。

「キャー!!あともうちょっとよー!!

駿ー!!」

野球部のマネージャーは叫んでいる。

「ねぇねぇ、あのマネージャーと

あの子、付き合ってんのかな?」

「あー、ぽいよね。でも違うらしいよ」

「違うの?」「うん。あの子の彼女は

特待生で、本来なら1年なのに

2年に上がっちゃったらしいよ」

「えー!めっちゃ凄いじゃん!!

ここにいる?」

「確か、写メが……あっ!この子!」

「可愛いじゃん!あれ?この子……

そこにいる子じゃん」

「え…」

ヒソヒソと他校の女の子達が話して

いる。

「あの〜、あの子の彼女ですか?」

「え……はい、一応…」

「やっぱりぃー!!彼氏かっこいい

ですよね!」「あ、はい。でも……」

「どうしたんですか?」

「……別れちゃうかもしれない…」

「え…どうして?ケンカですか?」

「…違います……」

「じゃあ嫌いなんですか?」

首を横に降る。

「嫌いじゃないのに別れるってどういう

ことなんですか?」

「あ…のっ…元カレ…がっ……

来て…」

「元カレ…?まだ、忘れられない人

なんですか?」

「……忘れ……た…つもり…でした…」

涙を流しながら言った。

手で目を覆いながら。

「……でも…私が…彼をきず…つけ

たから……せめてっ…なにか…と…」

その子は私の話しを聞いてくれた。

泣いていたら顔がグシャグシャに

なっちゃった。

私が泣いているのに気づかず、

美原は帰ってしまった。