恋なんてしなきゃ良かった

うるさい位蝉が鳴いている。

今は夏休み。にも関わらず、私は

学校に来ている。でも当然、夏休み

なので私服だ。萌音と百合菜の追試が

終わるまで待っているつもりだ。

流石に外は暑くてたまらないから

図書室で本読んでるだけ。

ガラガラッ

「え…」先生が来たのかと思い、とっさ

に棚の後ろに隠れる。

「…あぁー…で……な…だ…よ!」

誰かが話してる。そっと覗く勇気もない

私はただ会話を聞いているだけ。

でも時々声がかすれて聞こえない。

ギシッ……

棚に寄りかかり過ぎたせいか、古い棚は

ミシミシと音をたてる。

「……誰?」「あ…」

誰だか分からないけど誰かがこっちに

向かってくる。